S.YAIRI Report
みなさまから頂いたシリアルナンバーに関したことや、年代特定の鍵となる情報を掲載しています。
ご意見、情報など有りましたらご遠慮なくご連絡下さい
S.Yairi モデル資料集は、こちらです。
シリアルナンバーのデータは、こちらです。
━トラスロッドの調整ナット位置━
78〜9年に行われたトラスロッドの調整ナット位置変更は、川辺工場製のモデルのみで、上之保工場製の
YF-210、YD-401はそれ以前からサウンドホール側に出ています。
シリアルデータ集でサウンドホール側(下だし)のシリアルの後に、1F下のシリアルが有るのはこの為です。
(2009/10/3)
━輸出モデルのインナーラベル━
年代や輸出業者の違いでラベルも変わるようです。(2009/8/2)
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| 71年 YW-40 | 76年 No.720 | 84年 L-5 |
━谷口楽器オリジナルモデルと楽器フェアモデル━
こちらのリポートで400シリーズのプロトタイプではないかと紹介したギターとギャラガーモデルに関して情報を頂き、
どちらのモデルも谷口楽器のオリジナルモデルである事が解りました。
また、このすぐ下の記事のカスタムモデルと思われる306に付いても情報を頂きました。
400シリーズのプロトタイプと紹介したモデルは、76年頃にヘリングボーンモデルと言うモデル名で販売されており、価格は100,000円でした。
ギャラガーモデルも同じく76年頃に120,000円で販売されていました。仕様は、ローズの306と同仕様でした。
どちらのモデルも当時のギター音楽関係の雑誌に、谷口楽器の広告として掲載されていました。
アバロンインレイの306は、75年10月10日から12日に東京九段の科学技術館で開催された楽器フェアのショーモデルと思われると言う事です。
その根拠として情報を提供していただいた方が所有する308が、知人が当時楽器フェアで見た308と同じ仕様(ヘキサゴンポジション、サイドもアバロンインレイ、ヘッドロゴの変更)だった事から、この308のシリアルと非常に近い306は、楽器フェア用のショーモデルではないかと思われるとの事でした。
当時、谷口楽器と三木楽器はS.YAIRIの販売では双璧を成しており、オリジナルモデルの販売も積極的でしたので、その辺りをもう少し知れべれば良かったと思っています。谷口のオリジナルモデルには他に、M-38モデルなどもありますね。
ショーモデルに関しては、308と306のシリアルからするともう1,2、本同様なショーモデルがあっても不思議ではありませんね。
(2009/3/1)
━2台のカスタムモデル ━
ショップオリジナルの302と個人オーダーと思われる306です。
どちらも基本仕様はそれぞれのモデルと同様ですが、インレイ、ヘッドロゴ、ポジションが変更されています。

左:YD-302-N 80年製 右:YD-306 75年製
どちらも縦ロゴですが、302は貼り貝です。また、通常どのモデルもヘッドはマッド仕上げですが、この302は
グロス仕上げです。ヘッドの形状も302の方が少し細身で角のRもシャープです。また、ピックガードの形状も違います。
どちらのギターもモデル資料集に詳細画像があります。
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| YD-302-N パーフリングとポジションはアバロン柄のセルです。 |
YD-306 インレイはアバロンです。 |
(2009/1/8)
━ S.YAIRI製のARIA ━
S.YAIRI製のARIAギターの、情報を頂きました。
早速、教えていただいたサイトを見てみると、ギターの画像と説明がありました。
そのギターは、ARIA A35Rと言うモデルでボディスタイルはドレッドノートで、サイドはローズ、バックはローズ・ハカランダ・ローズ
の3P(サイトの説明ではサイドバックは全てハカランダとなっていますが、バックのセンター以外はローズだと思います)です。
バインディングは白セルで指板には有りません。また、ヘッドにはトラスロッドカバーが付いています。
ボディ内部にARIAのラベルが有り、「BY SADA YAIRI」と書かれています。また、画像は有りませんがS.YAIRIの3Pモデルに貼っ
てある木製のラベルも貼ってあり、ネックブロックには「S 295」の印字が有ると書かれてます。
全体の仕様、シリアルなどから、60年代後期から70年代初期の製造と考えられます。因みにシリアルデータ集にある型番表記の
無いS 115は、やはりこのモデルの試作品ではないでしょうか。
ARIAのOMEをしていた事には驚きました。(2008/10/30)
━ ハカランダ3PバックのYD-304 ━
バックが通常のセンターメイプルでは無く、センターもハカランダの304の情報を頂きました。
シリアルは22239ですので、後期のモデルです。シリアルデータ集にあるシリアル22184の304は、2Pバックです。
仕様変更が行われたのか、この304が特別なのかはデータが少ないので判断が付きません。(2008/9/29)
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| ペグはヤイリゴールドです | ハカランダ3Pバック | 型番とシリアル |
━ シリアルナンバー10318のYD-302のトップブレイスの印字 ━
当シリアルデータ集にあるシリアルナンバー7470から10598までのギターには、トップのxブレイシングに「77
02」などの製造年月日と思われる印字が有りますが、このギターはそのシリアルの範囲なのですが印字に表記と場所が違います。表記は「76」場所はxブレイスではなく指板側のブレイスに印字されています。この「76」が製造年を現わすと考えるとXブレイスに印字の有るギターと辻褄が合わなくなります。(2008/7/20)

━ シリアルナンバーのロジックに付いての考察 ━
シリアルデータの情報を頂いた方からシリアルナンバーに付いて下記の様なメールを頂きました。
ご本人の了解の下、掲載させていただきました。(2008/2/4)
私が思うにシリアルナンバーは大きく3つに分類できると思います。@は最も一般的な1976年頃まで採用されている「西暦末尾の1桁プラス通し番号」(但し1970年は0が省略されて通し番号のみ)、AはSヤイリレポートにも言及されている1976年末から1977年最初期に採用されている「数字―数字」、―の左で西暦末尾と月を示すタイプ。そして今回、私が発見したのは年度推定となっているBのタイプで1974〜1976年のYD-307,308のみに採用されている「アルファベット 数字」です。数字は恐らく通し番号でしょうが、アルファベットは西暦末尾と月を規則的に変換したものと思われます。以下の表を見て下さい。
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西暦 |
月 |
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A |
1971(実際は存在しない) |
1 |
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B |
1972(実際は存在しない) |
2 |
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C |
1973(実際は存在しない) |
3 |
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D |
1974 |
4 |
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E |
1975 |
5 |
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F |
1976 |
6 |
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G |
1977(実際は存在しない) |
7 |
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H |
1978(実際は存在しない) |
8 |
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I |
1979(実際は存在しない) |
9 |
|
J |
1980(実際は存在しない) |
10 |
|
K |
1981(実際は存在しない) |
11 |
|
L |
1982(実際は存在しない) |
12 |
このように考えると、シリアルデータにあるDJ 70は1974年10月製、E 109は1975年製、ED 140は1975年4月製、EF 70は1975年6月製、EG 182は1975年7月製、FA
46は1976年1月製、FA 48は1976年1月製、そして私のYD-308はEI 81なので1975年9月製ということになります。これで、DJ 70を1974年12月に購入したこと、EG
182を1975年に購入したこともつじつまが合います。しかも、画像で紹介されている型番がふたつあるYD-307のシリアルがEE 61でラベルに1975年と書かれていることからこのロジックはほぼ間違いないでしょう。
1974年製の「西暦末尾の1桁プラス通し番号」のYD-308もデータから確認できますが、恐らく、YD-307,308が発売された初期の頃は受注生産であったのでシリアルを変則的なものにしていたのかもしれません。そして、1977年頃からその他の型番と同じものに戻したものと思われます。
━ YD-308 #20314のサイドの割れ止め ━
| このギターの情報を頂いた際のオーナーさんとのやり取りのなかで当初は割れ止めがないと思われていましたが、よくよく調べてみると、 とても特徴的な割れ止めが使われている事が分かりました。 オーナーさんの了解の下、画像を掲載しました。 通常、割れ止めは幅1〜2センチのサイドと同じ材料の帯状の薄板か、テープ状のものが間隔をあけて貼られています が、この308の割れ止めは、幅が15〜20センチほどの幅の広い1枚板がくびれ部分を中心に貼られています。この様な割れ止めは、ヤイリ以外でも見た事がありません。 元々、ポジションマークや指板最終フレットのインレイなど特注品と 思われる部分が有るギターですので、この割れ止めの仕様もオーダーだったのかもしれません。(2006/12/3) 後日、YD-308 #21095のオーナーさんから「私の308も同じ幅広の割れ止めです。」とメールを頂きました。 どうやら、この幅広の割れ止めは、この頃の308では標準仕様のようです。(2006/12/27) |
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━ 製造年特定のヒントとなる情報その2 ━
シリアル情報を頂いた方の購入経緯の中に、シリアルと製造年の関係のヒントになる一文が有りましたので、ご本人の了解の下、原文を掲載いたします。(2006/7/18)
はじめまして、私はYD-304を高校2年生(1977年)の7月に新品で購入し、現在も所有しております。
その時の楽器屋さんの店長が、@店頭にある現物(店頭に2年程売れずに飾ってあるので)なら割引価格に専用ハードケース(¥16,000-)をサービスしますが、Aメーカーからの取り寄せならハードケースは実費とのことでした。 @はトップ中心の左右対称に木目がきつく出ており、店長さんは処分したそうで総額¥68,000-で購入しました。
上記ゆえに私のYD-304は1975年前後の製造と思われます。シリアルナンバーは「5682 S
印字黒」です。
━ 珍しいサンバーストのYD-303 ━
チェリーサンバーストのYD-303の情報を頂きました。
シリアルは1701ですので、初期のモデルです。私の在職時を含め色物は覚えがありません。(2006/6/19)
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| 外観 | バック |
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| 最終フレット型番 | シリアル印字 |
━ 同一シリアルの304と302 ━
以前よりみなさまから頂いた情報に、「5121」と「5121 N」の様に同じシリアルのギターの存在が数例ありましたが、今回全く同じシリアルナンバー「6614」の304と302が有りました。
偶然にも、どちらのギターも当店に修理で持ち込まれたギターです。以前からあるアルファベット有り無しのシリアルの場合は、意図的に付けられた可能性が高いと思いますが、今回の場合はケアレスミスでしょうか。(2006/4/16)
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| YD-302 | YD-304 |
━ 製造年特定のヒントとなる情報 ━
YD-304(シリアル6111)のオーナーの方の情報にS.Yairiからの手紙(オーナーの方が304購入後、矢入に問い合わせをした返事)がありその中に、「このギター(YD-304
シリアル6111)は、1976年1月の生産です。」と書かれていました。
この事から、基本的にはシリアルの最初の数字は西暦の一桁目というロジックではないかと考えられます。(2005/12/18 追記)
━ YD-305H(谷口楽器オリジナルモデル) ━
シリアルデータにあるYD-305Hの画像です。
仕様は、下のシリアル「71-21」とほぼ同様です。異なる点はアジャストロッドが下出し、ピックガードがべっ甲柄の2点です。
トップのブレイシングは、ノンスキャロップでトップとバックが単板、ペグはシャラークロームです。(2005/11/3 追記)
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| 正面 | ネックブロック、アジャストロッド | バックブレイス | トップバインディング |
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| ピックガード | バックセンターストリップ | ヘッド | ポジションマーク |
━ ギャラガーモデル ━
シリアルの情報と共にギターの素性に付いてお問い合わせが有り、携帯で撮った画像が添付して有りました。
この情報をいただくまで、全く忘れていたモデルです。私が在職時に携わった事が有りますので、77〜79年頃の製造と思います。
スポット生産かショップオリジナルだったのかは分かりませんが、仕様は302と同等だったと思います。
アジャスタブルロッドの位置や型番などは、情報を頂いておりません。(2005/10/24 追記)
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━ 400シリーズプロトタイプ? ━
シリアルデータをお寄せいただいたシリアル「71-21」ですが、型番が無く、ポジションマークはスノーフレイク、バインディングはヘリンボーンと一見402の様ですが、ピックガードは黒で、バックは2P単板と仕様が異なります。
所有者の方によると、購入は77年で購入の際に店員さんから「ヤイリの12万のモデルと同等のグレード」と説明されたそうです。
ひょっとしたら、400シリーズのプロトタイプかもしれません。(2005/10/24 追記)
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━ 矢入貞雄フェア ━
シリアルデータをお寄せいただいた方から、データと共に「矢入貞雄フェア」招待状の画像を頂きました。
フェアの日時は1974年6月1日(土)〜2日(日)、京都十字屋楽器三条店で行われました。
内容は、ギタークリニック(愛器の健康診断)、調整とギターの展示即売だったそうです。
私の在職時77〜8年頃にも、この様なクリニックはありましたが、社長が行う事はなく工場長が行っておりました。
わずか3年前まで、社長が行っていたのは少し驚きです。 (2005/7/24 追記)
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━ 保証書の会社名 ━
シリアルやギター本体の特徴とは直接関係は有りませんが、たまたま、当時の保証書が残っていたギターを目にする気会がありました。
71年の304の保証書と78年頃の305の保証書です。71年頃は、会社名が「矢入ギター製作所」で、78年頃は「矢入楽器製造株式会社」と表記してあります。
工場が、川辺に移った時に社名変更したのではないかと思います。 (2005/6/18
追記)
75年製造の304の保証書の会社名が「矢入ギター製作所」との情報を頂きました。
これにより、社名変更は75年以降となります。(2005/8/12 追記)
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| 左:71年頃の保証書 右:78年頃の保証書 |
みなさまから頂いた情報を調べてみると、製造年度で型番やシリアルナンバーの印字位置や色、ブレイシングの形に違いが有ることが分かりました。
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指板最終フレットに型番刻印 |
シリアルナンバー茶印字 74年YD-304 #4849 |
シリアルナンバー黒印字 75年YD-304 #5207 DS |
型番、シリアル同位置印字 80年YD-302 #19818 |
シリアルナンバー青印字 81〜82年N.Y CUSTOM |
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| 1〜4 番が全て縦長の山形 | 1〜2番が縦長山形、3〜4番が蒲鉾型 |
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| 1〜2番が縦長で、断念が三角形 | 左の同じギターの3〜4番は、三角形ではありません |
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| 76年以前のロゴ Sの位置に注意 |
76年以降のロゴ | ヘキサゴンポジションで旧書体 YD-308 #18633 |
80年以降のロゴ |
縦ロゴギターでは、ロゴの位置と書体で、年代が特定できそうです。
これ等の事から、
| 製造年度 | 型番及び印字 | アジャスタブルロッド |
| 74年までの製造 | 指板最終フレットに型番、シリアル印字は茶色 | 1フレット下 |
| 75年製造 | 74年までと76年以降の特徴が混在 | 1フレット下 |
| 76年以降 | センターブロックに型番、シリアルを黒印字 | 1フレット下 |
| 79年以降 | センターブロックに型番、シリアルを黒印字 | サウンドホール側 |
バックブレイスに付いては、仕様変更が度々行われている様で製造年を判断するには難しいと思われます。
━ シャムガキの303 ━
YD-303は、3度ほどサイドバックの仕様変更が成されています。74年までは、3Pハカランダバック、75年は、74年仕様と2Pハカランダバック、76年からは2Pハカランダバック(当時のカタログでは、78年のカタログまで確認)、それ以降は、シャムガキ2Pバック(82年カタログ)です。
78年以降のシャムガキの木目がハカランダの木目と似ている為、76年以降の303のオーナーの方から多くの問い合わせを頂きました。
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| バック | ヘッドロゴ | バックストリップ |
上のYD-303は、79年頃に購入されたもので、シリアルは19146です。特徴は、ヘッドのロゴがデカールではなく貼り貝である事と、バックストリップが白黒のチェッカーではない事です。
76年以降の2Pハカランダ303かシャムガキ303かは、木目で判断する事は難しいと思いますので、この2点で判断するとよいと思います。