我が道を行く

 ここでは、七月がいろんな史跡や歴史上の人物ゆかりの土地を訪れ、見聞したことを写真やスケッチを交えて綴っていきます。
 タイトルはもちろん、敬愛する司馬遼太郎大先生の『街道を行く』をもじったものです(罰当たりだなあ・・・)。

第一回 第2回(奈良) 第三回(会津) 第四回(岩手) 第五回(金沢)

第六回(甲府)


第一回:天下の御意見番・大久保彦佐衛門

 あれは去年のこと。
 まだ某テレビ誌のNHK番記者だった七月は、金曜時代劇「スキッと一心太助」にひっかけて、大久保彦佐衛門特集を企画することになりました。
 てなわけで、去年の夏は『三河物語』やら講談本やら、大久保彦佐衛門に関する本を読みあさり、国会図書館やら国立劇場へ足を運んで、肖像画をマイクロフィルムからプリントアウトしたり、錦絵の写真を借りてきたりしました。
 そして、駿河台の屋敷跡やら菩提寺やらを訪ねて写真を撮ってきたりもしたのですが、七月が撮った写真は全部ボツになってしまったのでした。
 で、この企画を思い付いた時、「そういえばアレがあったな」と思い出し、記念すべき第一回をこのネタを使うことにしました。

 大久保彦佐衛門は、水戸黄門や遠山の金さんなどと違って悪人を懲らしめるわけではなく、将軍や老中といった権力者に対してイヤミをいったり説教したりしてやり込める、というどちらかといえば地味なイメージなので、最近では時代劇にもほとんど出てくることはありません。
 でも、七月としては、旗本が輿での登城を禁じられるとタライで登城するとか、隣家の筍が塀を越えて自分の屋敷の庭に生えてきたのでけしからん、成敗する、といって刀でぶった斬り、料理して食べてしまうなど、黄門さまや金さんには見られないユーモアを感じます。
 てなわけで、この企画は七月には結構楽しかったのですが、やっぱり知名度がいまいちなせいか、反響はいまひとつでした。
 大久保彦佐衛門といえば、時代劇や講談では「駿河台の老人」の別名で呼ばれていますが、東京都千代田区駿河台・・・現在、明治大学や日大病院、ニコライ堂などがあるところですが、あの一帯が彼の屋敷だったというそうですから、結構大きなお屋敷だったようです。
 まあ、大久保家といえば、徳川家の重臣の中でも名門中の名門ですし(家康の側近で老中だった大久保忠隣(ただちか)は彼の甥(ただし17歳年長))、石高二千石といえば旗本としてはかなり大身ですから、何の不思議もないんですが。
 JRお茶の水駅から駿河台坂を神田小川町に向かって下って行くと、杏雲堂病院の入り口近くの植え込みの中に「大久保彦佐衛門屋敷跡」と記された石碑が建っているのが見つかります。
 うっかりするとすぐに見落としてしまいそうになるぐらい、さりげなく建っていますが、こういうのを見ると、「現代人もやっぱり彦佐のようなキャラクターを愛しているんだなあ」という気持ちになります。

 その翌日の土曜日、七月は彦佐衛門の菩提寺・立行寺を訪ねました。
 立行寺のある場所は、港区白金。
 今流行りの「シロガネーゼ」でおなじみのあの高級住宅地です。
 七月は京王線で新宿まで行き、新宿から山手線で五反田、五反田から都営浅草線、というルートを使いました。
 立行寺の最寄り駅は何と「泉岳寺」。
 そう、日本の年末の風物詩「忠臣蔵」でお馴染みのあの泉岳寺です。
 泉岳寺へは、去年の大河ドラマの「元禄繚乱」のクランクイン直前に主演の中村勘九郎さんと浅野内匠頭役の東山紀之さんが参拝された時の取材会で一度だけ行ったことがあります。
 忠臣蔵のせいだと思うんですが、立派なお寺でした。
 その泉岳寺へ行くのとは反対方向の出口へ出て、高級住宅地の中を延々と歩いていくうちに、立行寺へとたどり着きました。
 山門には「史跡 大久保彦佐衛門墓」と書かれた柱が建っている! 
 境内に入ってすぐ、「大久保彦佐衛門忠教(ただたか)公徳碑」という石碑が見つかりました。
 泉岳寺とはうって変わって、ただお墓があるばかりのこじんまりしたお寺なのですが、そういうところがかえって観光名所化されたお寺と違ってお寺らしいなあ、と思いました。
 で、更に奥へ進むと今度は「一心太助」の石碑が建っているのが見つかりました。
 七月は、太助は講談だけに出てくる架空の人物なのかと思っていましたが、安彦良和氏の『三河物語』(中央公論社「マンガ日本の古典シリーズ」)の巻末の方に、彦佐衛門のお墓の隣に太助のお墓があると記されていたので、太助が実在の人物であるらしいことがわかりました。で、下の写真はその太助のお墓らしいのですが、講談にもよく登場する松前屋五郎兵衛が建てたものらしいです。

 この写真だと、周りにあるお墓の方が立派に見えますが、この隣にはもっと立派なお墓があって、恐らくそれが彦佐衛門のお墓だと思われます。
 この後、寺務所に行って、彦佐衛門のことやらこのお寺のことなどが書かれたパンフレットのようなものがないかと尋ねたら「ない」といわれました。
 こういうあたり、このお寺はやはりちゃんと檀家のために機能している、ごく当たり前のお寺なんだなあ、と思いました。

 てなわけで、第1回は大久保彦佐衛門を取り上げました。
 あんまり外出している暇はないので、次回をアップできるのは当分先になると思いますが、忠臣蔵か2・26事件で考えています。
 それとは別に、島村涼さん&島村笙さんの「MIRAGE」との合同企画で、「新撰組特集」を開催する予定です。
 詳しいことは、また後日お知らせしますが、涼さんがキャンペーン用のバナーを作ってくださいましたので、こちらにアップします。(企画が本格的に動き出しましたら、トップページにも張り付ける予定ですが)皆様、どうぞ宜しくお願い致します。


第二回へ

トップに戻る


新撰組企画バナーです!!!
↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓