パリ市のすぐお隣ブローニュ・ビヤンクール市は、ブローニュの森に隣接した住宅地です。

アルベール・カーン美術館

◆なぜブローニュ・ビヤンクール?
「郊外のおもしろい場所ないですか?」という私のリクに応えて、
「それならば日本庭園はいかがでしょう?」と、旅行会社の現地
スタッフKさんが教えてくれたオススメのスポットがあるからでし
た。
「パリで日本庭園ってどうよ?」という気もしましたが、お世話に
なるのは今回で2回目のKさんの言葉を頼りに、地図すらないま
まぶら〜っと出かけてみました。

◆で、どうだった?
まず、地図なんていりませんでした。
メトロを地上に出てすぐの場所にアルベール・カーン美術館はあ
りました。20世紀初頭の銀行家カーン氏が遺した世界中の写真
・映像コレクションと庭園です。

美術館のエントランスを抜けて庭に出て、右手に進むと日本庭園
が現れます。”なんちゃって日本庭園”が多い中、ここはかなり本
格的なものでした。日露戦争で日本に融資したほど親日家だった
カーン氏は、この庭を造るためにわざわざ日本から庭師を招いたそ
うです。どうりで納得です!
外の喧騒から隔絶された静かな庭をゆっくり歩くと、知らず知らず
のうちに日本人のDNAが呼び覚まされ、それはそれは癒されました。




*****   アルベール・カーンとそのコレクションについて   *****

カーン氏は、20世紀初頭のユダヤ系フランス人の銀行家で、平和主義者。
「地球上のすべてを映像に記録したい」「消えゆく古い時代の生活を伝えたい」という彼の夢から始まったコレクションは、
彼が私費(!)で世界各地に派遣したカメラマン達の手によるもの。100年前のヨーロッパ、中東、アジアのごく普通の
人々がいきいきと映し出されていて、とにかく興味深いものです。

私が訪れたときは、
Les couleurs du Maghreb(マグレブの色彩)」というテーマで、100年前のアルジェリア、チュニジ
ア、モロッコの写真の展示が行われていました(2008年3月まで)。
めったに見る機会がない100年前の北アフリカの人々の写真はエキゾチックですてきでした。

2008年年明けに、「奇跡の映像 よみがえる100年前の世界」というタイトルでカーンのコレクションのドキュメンタリー
番組の放送(BS1)がありました。
それを観て驚いたのは、当時の先進国のヨーロッパ諸国ですら、地方に行くと独自の生活習慣と方言が根強く残っていた
こと(数十キロ先の村の言葉が通じないこともあったらしい!)。そしてカラーフィルムで撮られた各地の伝統的衣装を着た
人たちの写真の美しさ!独自の文化が、近代化のスローガンのもとに、ひとつの国、ひとつの言葉にまとめられ消えてい
く様子がしっかりと記録されていました。

一見子供じみたような夢をさらっと実現してみせて、なおかつ激動の時代の重要な記録として私達に残してくれたカーン氏。
彼のビジョンを理解し忠実に記録を残したカメラマンたち。カッコいいです。
また機会があったら、行ってみたい場所になりました。
情報提供してくれたKさんにも感謝です。

*****   日本庭園   *****









アジア系のおばあちゃん二人が水辺に座って、
鯉にエサをやりながら、話し込んでいました。



もみじもあります


この渦巻きはちょっと不思議かも。

*****   イギリス庭園   *****

自然の地形をそのまま生かした風なのが、イギリス庭園です。
大きな広葉樹が日光を遮り、ひんやりとした空気が気持ちよいです。





木漏れ日1


木漏れ日2

*****   フランス庭園   *****


ロンドンのキューガーデンズみたいなガラス張りの温室


枝が矯正されたフォークのようなリンゴの木


バラの木のアーチ

  セーヌ川

ブローニュ・ビヤンクールは、セーヌ川が大きく蛇行して北上する地点にあります。
町境のサン・クルー橋から眺めるゆったりした川の流れとお隣のサン・クルーの町の眺めは美しいです。
お隣の町サン・クルーには、サン・クルー離宮跡地の広大な公園があります。


というわけでこの後は。サン・クルーに向かいました。
続く。


サン・クルーの町


遠くにパリ市内

アクセス:メトロ10号線終点 Blougne-Pont de St.Cloud 下車